- 2013.04.01 カテゴリ: その他
- 弁護士一年生の思い出
弁護士は皆様の代理人となり、弁護人になる職業です。
しかし、皆様の生活やその他の状態を真実知っているものではありませんのに、皆様を代弁するということは大変難しいことです。したがって、色々な体験や経験を積んで一人前の弁護士になっていきますし、そのために日々の努力をしております。
昔のことですが一般的に自動車を運転することは大変困難な時代でした。(自動車も少なく免許を持っている人も少ない時代のことです)
私は市バスで踏切事故を起こした運転士の弁護をしておりました。ある日の公判で裁判長が「踏切内で危ないと思った時に急加速を何故しなかったか」と質問しました。運転士はバスの構造の問題(アクセル・クラッチの関すること)を説明しましたが、自動車の知識のない裁判官、検察官そして弁護人の私にも到底理解し得ないことでした。その日の公判の後、運転士は私に「先生努力して弁護してくれているが、自動車の構造は一人として判っていないことを知りました。その人達で私の行動の是非を判断されることに絶望しました。」と語りました。
私は愕然としてその翌日から自動車教習所(神戸市内には殆どありませんでした)を探して練習し免許証を取ることができました。そして自動車の構造問題を法廷で大弁論をし、裁判官に充分説明しました。運転士には落ち度(過失)の無いことが立証出来、結果的に運転士は無罪となりました。
私の弁護士一年生の思い出です。
この様に弁護士には色々な体験や経験、そしてそれをものにする努力が必要です。そのためには多くの年月が必要と思います。私達の法律事務所の弁護士達はその努力を日夜続けていることを承知して貰いたいと思っています。
(弁護士 奥村 孝)

